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  特集

平成16年03月掲載
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設計料について考える!

:::不透明な設計料を解明
「建築工事費の約10%」

建築家に設計を依頼する際に設計料についてよく聞くのが「設計料は建設工事費の10%です」という言葉だと思います。
なぜ、設計料を工事金額の%値で表現するのでしょうか。
実は、建築家が請求する設計料の額については、建築士法で報酬の基準が定められているだけで、明確な決まりがありません。

設計料とは、設計事務所・建設会社・工務店・ハウスメーカーなどの別にかかわらず、建物を建てる際に必要な設計業務を行う建築士が行う調査や申請、作図、技術、及び実績などに対し請求するいわば人件費であり、どんな会社・職務でも設計業務を行う際に必ず発生するものです。

しかし建築家のように、設計料を請求代金として工事費とは別に明確に提示している企業と、工事費などに含めることにより明確に提示していない企業とがあります。(現在は公平を得るため設計料を明確に提示する活動が行われております)
そのため、なかなか比較することが難しい状況です。
では、設計料はなぜ建築工事費の10%なのでしょうか、今回は設計料について考えていきたいと思います。
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:::設計料の算定方法
先に述べたように、設計料には明確な決まりがありません。
というのも設計料の算定に用いる人件費や技術料などは、各建築家の有資格年数や実績などにより異なるだけでなく、その実績による対価は各建築家自らが決定するものだからです。
それらの大元ととなる算式が、建築士法第25条に「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することの出来る報酬の基準」として定められており、建設省告示第1206号(昭和54年)によりさらに詳しく定められています。

建築士法及び建設省告示による設計料の算定方法としては、下記の2つがあります。
 [1.積み上げ方法による報酬の算定方法]:設計に要した実労働時間を基に算出する方法
 [2.略算方法による報酬の算定方法]:過去の統計から基めた算式により算出する方法

今回は後者の[2.略算方法による報酬の算定方法]を基に、建築工事費の10%のなぞに迫ってみましょう。
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:::略算方法による報酬の算定方法
設計料=直接人件費(P)+経費(E)+技術料(F)+特別経費(R)+消費税

上記に挙げたのが略算方法の算定式です。
直接人件費とは、給料・賞与・保険料などの人件費の1日当たりの額に業務に携わった日数を掛けたものが該当します。(右記参照)

略算方法では、業務日数を過去の統計を基に請負金額・建物用途毎に算出した標準値を基に算出していきます。(参考資料1)
 
では、人件費とはどのように求めるのでしょうか。
この人件費が、前述した「建築家により過去の実績に基づいて独自に定める対価」となるのですが、略算方法ではこの人件費を過去の統計を基に求めます。(参考資料2)
統計値を用いない場合は「1.積み上げ方法による報酬の算定方法」により求めることになります。

参考資料2を基に、一日の標準日額人件費を算式にあてはめて建築工事費2000万円の一般的な木造住宅のケースを基に実際に算出してみましょう。
参考資料1は、建築技術者の区分E〔一級建築士取得後3年未満・二級建築士取得後5年以上8年未満の業務経験を有す者〕(参考資料3参照)を基に作成されているので、参考資料2でも同じく建築技術者の区分Eにて算出します。


1:人件費を割り出す

人件費=年間人件費調査÷年間労働日数

参考資料2の区分Eに示す額は年間平均5,918,000円とありますので、この額を一日の平均額に見直します。
     5,918,000円÷12ヶ月÷25日/月=19,726円
一日の平均人件費はおよそ20,000円となります。


2:直接人件費を求める

直接人件費=標準人日数×人件費

参考資料1を基に工事費と建物の用途との交点を求め標準人日数値を算出すると、この物件の人日数は設計費25・監理費12の計37人日数となります。
求めた人日数値に、参考資料2を基に算出した上記の一日の平均人件費20,000円を掛けます。
   直接人件費(P)=37人日数×20,000=740,000
これで物件の直接人件費(P)を求めることが出来ました。
では、略算方法の算定式に当てはめて設計料を求めてみましょう。


3:設計料を求める
直接人件費(P):P=P(a)×P(b)
        参考資料1(人日数P(a)に参考資料2
        (技術者の標準日額人件費P(b)の区分E
        の数値を掛けて算出
        設計者の給料・諸手当・賞与・等

経  費 (E) :E=1.0(標準倍数)×P
        直接経費(印刷製本費・複写費・
        交通費等)と間接経費(通信費・
        減価償却費等)

技 術 料 (F):F=0.5×P程度
        発揮される技術・創造力・業務経験等

特 別 経 費(R):出張旅費(E以外の交通費)・特許使用料
        ・建築主から特別な依頼に基づいて必
        要となる経費等

設計料=直接人件費(P)+経費(E)+技術料(F)+特別経費(R)+消費税

略算算定式を条件に当てはめると以下のようになります。
   設計料=P+P+0.5P+特別経費(R)+消費税
特別経費を0.3Pと想定し、消費税は考慮しないものとして先ほど求めた直接人件費を当てはめると設計料を求めることが出来ます。
   設計料=P+P+0.5P+0.3P
      =2.8P
      =2.8×740,000円
      =2,072,000
設計料は建築工事費2000万円の10.36%と算出され、およそ10%となりました。

同様に金額を変えて算出してみると以下のようになります。
  1000万円=12.32%
  1500万円=11.20%
  3000万円= 9.33%
従って、設計料は常に10%と言う訳ではなく、規模(金額)が少なくなれば%値は上り、逆に規模(金額)が増えれば%値は下がります。
また、技術料や特別経費の算定値は建築家により定める値が異なるため、同じ物件の設計料でも担当する建築家により請求%値は異なります。
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:::業務経験などによる設計料
参考資料3に、業務経験等による技術者の区分による換算率が算出されています。
これは業務経験等による技術者の区分Eを基(倍率1.0)に、他の区分の技術者の値を算出するものです。

例えば、一級建築士を取得して18年以上業務を経験している建築家が設計業務を行った場合の設計料を算出する場合、参考資料3において区分Aに該当します。
区分Eを基にした換算率が1.83でありますから、先に算出した区分Eの一日の標準日額人件費¥20,000に換算率1.83を掛けると、区分Aの一日の標準日額人件費が¥36,600であることが求められます。

また、先ほど算出した設計料を基に、同じ物件を区分Aの建築が設計した場合の設計料を求めると以下のようになります。
   2,072,000×1.83=3,791,760
2000万円の一般的な木造住宅の設計料は、工事費の18.95%となります。

しかしながら、実際この値の設計料を請求する建築家は建築家の中でもほんの一握りしか存在しません。
埼玉県で設計事務所を構え設計業務を行う建築家の設計料としては、区分Aで挙げる建築士でも、今まで参考として取り上げてきた区分Eの設計料程度を請求していると言われています。
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:::高いか!安いか!
これまで求めてきた設計料は、全て過去の統計を基に作成された略算式によるものであり、物件によってはこの算定値を基に物件の規模や内容、稼働日数、経験などに応じ算出方法を替えて設計料を求める必要があります。
しかしながら、建築家に設計をお願いする際の目安値を求める方法としては十分活用できます。

建築家の人件費として該当するものには次のようなものがあります。
   条件の取りまとめ  現地調査    関係法令の調査  行政調査・手続  各種打合せ
   材料等の調整    計画案作成   図面作成     工事監理     各種申請

これら一連の業務は、お施主様から依頼を受け設計プランを作成することから工事完成までをいい、一般的な木造住宅でも通常1年程の歳月を費やします。
専門的知識が無いかたが自らこれらの業務を行うことは困難であり、これらを行う為に専門家と呼ばれる建築家が存在するのです。

物件の規模、状況、要望、業務内容、建築士としての実績・経験等により増減はあるとしても、これらの業務を行う建築家の報酬として「工事費の10%」と言う設計料を高いと思いますか?それとも安いと思いますか?
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参考資料
参考資料1 [設計・工事監理業務 標準人・日数表(P(a))]
区分 第一類 第2類 第3類 第4類
建築物の用途など 工場・車庫
市場・倉庫等
体育館・観覧場
学校・研究所・庁舎
事務所・駅舎
百貨店・店舗
共同住宅・寄宿舎等
及び、1類の複雑な物
銀行・美術館・博物館
図書館・公会堂・劇場
映画館・ホテル・旅館
集会場(オーディトリウムを有する物に限る)
ナイトクラブ・料理店・放送局
病院・複合建築物及び1,2類の複雑な物
戸建住宅
(一般的な木造戸建住宅を除く)

木造3階建
非木造等
一般的な木造戸建住宅

2階建てまで
業務内容区分 設計 監理 設計 監理 設計 監理 設計 監理 設計 監理
工事費
1000万円
38 20 58 42 22 64 46 24 70 25 13 38 15 7 22
1500万円 37 18 55 20 10 30
2000万円 47 24 71 25 12 37
3000万円 52 26 78 58 29 87 63 32 95 68 34 102 33 17 50
5000万円 77 38 115 85 42 127 94 47 141 107 54 161 49 24 73
8000万円 110 53 163 122 59 181 134 65 199 163 82 245 69 35 104
1億 131 63 194 145 70 215 159 77 236 200 100 300 82 41 123
・この表は区分Eの技術者が、標準業務内容の設計又は工事管理を行うために必要な業務人日数の標準を示したものです。
・告示1206号発表時及び発表以降の標準外業務に要する日数は含まれていません。
・基本設計と実施設計の業務量の比率は3:7を標準としています。


参考資料2 [年間人件費調査(平均額:単位千円)]
ブロック
区分
関東・甲信越
(東京)
13,341 10,541 9,076 8,196 5,918
(6,516)
4,803
・( )は東京都内のみの平均額を示す。


参考資料3 [業務経験などによる技術者の区分及び標準日額換算率]
区分 建築士等の資格・業務経験等 換算率
・一級建築士取得後18年以上
・二級建築士取得後23年以上の業務経験がある者
・大学卒業後23年以上相当の能力のある者
1.83
・一級建築士取得後13年以上18年未満
・二級建築士取得後13年以上23年未満の業務経験がある者
・大学卒業後18年以上相当の能力のある者
1.80
・一級建築士取得後8年以上13年未満
・二級建築士取得後13年以上18年未満の業務経験がある者
・大学卒業後13年以上相当の能力のある者
1.56
・一級建築士取得後3年以上8年未満
・二級建築士取得後8年以上13年未満の業務経験がある者
・大学卒業後8年以上相当の能力のある者
1.23
・一級建築士取得後3年未満
・二級建築士取得後5年以上8年未満の業務経験がある者
・大学卒業後5年以上相当の能力のある者
1.00
・上記各欄に該当しない者
・区分Eに対する換算率を示す。
・略算法による算定には区分Eを用いる。
 

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